月1回の判例研究会の第146回は、2024年10月25日開催され、判例時報2595~2598号から4判例が報告された。
県を相手方とする裁判において、両当事者が交互に裁判所と進行協議したところ、県と裁判所との協議内容が記載された県職員作成の報告書について、相手方当事者が県情報公開条例に基づき開示請求をした事例(仙台高判令和4年10月6日)は、当然ながら協議内容は不開示情報という結論となった。裁判所との協議の秘密厳守は、実務家としては当然の帰結であるが、法理論上どのように結論を導くかは興味深いものであった。
いわゆる親族の囲い込みがなされた高齢者について、別の親族が成年後見申立をした場合の、失敗事例(東京高決令和5年11月24日)と成功事例(東京高決令和5年3月20日)は、医療情報の取り寄せが何より重要であることを示唆するものであった。
その他、共同訴訟における訴額算定に関する最決令和5年10月19日が紹介され、皆で考え方を理解した。